第22回
JVA開催報告

開催報告

開会挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事
松浦 哲哉
JVAは今年度で22回目の開催となる。中小機構はスタートアップの成長ステージに合わせた様々な支援を用意しており、スタートアップ支援の老舗を自負しているが、これからも変わらず支援の老舗であり続けるためには、我々自身が変わっていく必要がある。スタートアップと同様、中小機構も常に新たな課題やニーズに果敢にチャレンジしていきたい。地方における起業やディープテック、ライフサイエンスといったEXITに時間が掛かる分野こそ、「支援のフロンティア」なのではないかと考えている。

オープニングキーノートスピーチ

株式会社アストロスケールホールディングス
創業者兼CEO
岡田 光信
令和時代の起業家精神について、2つの方程式に依ってお話ししたい。
1つ目は、課題方程式。課題とはあるべき姿と現実のギャップであるというもの。あるべき姿の答えは無数にあり、令和の時代、それを決めるのは自由だが、「ふーん、そうだね」と納得されるものは既に100万人が考えているので、描いた時点では、笑われるくらいのものがちょうどいい。笑われるほどのあるべき姿を考えましょう。
2つ目の方程式は、実現方程式。実現とは、思考と行動のかけ算であるというもの。考えなければ実現しないし、行動しなければ実現しない。「MAX考えて」「MAX行動する」ことを毎朝肝に銘じてやれば「MAX実現していく」。今はインターネットで24時間、ヒト・技術(モノ)・カネ・情報が手に入るので、言い訳はできない。もし実現できなかったら、自分の思考や行動が足りなかったのだと考えるようにしている。

VC×投資先ピッチ

ベンチャー企業を支援するVCのベンチャーキャピタリストとその投資先である起業家が揃って登壇しそれぞれのパートナーシップについてディスカッションしました。

[ 出演者 ]

ジャフコグループ株式会社
チーフキャピタリスト
沼田 朋子
株式会社 REXEV
代表取締役社長
渡部 健
STRIVE
代表パートナー
堤 達生
株式会社 RABO
代表取締役
伊豫 愉芸子

[ モデレーター ]

一般社団法人 日本ベンチャーキャピタル協会
名誉会長
仮屋薗 聡一

第22回JVA ノミネート者紹介

ノミネート者の起業のきっかけや起業後に直面した課題に対する取組等について、モデレーターが引き出しました。

[ モデレーター ]

一般社団法人 日本ベンチャーキャピタル協会
常務理事
渡辺 洋行

主催者挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長
豊永 厚志
JVAは、優れた起業家や今後の活躍が期待されるベンチャーキャピタリストを表彰し、わが国のベンチャービジネスに対する関心を高め、チャレンジ精神を醸成していくことを目的としている。今回は、地域経済の活性化や地域課題の解決に貢献する起業家を応援するため、地域貢献特別賞を新たに設けた。表彰を受けられる起業家の皆様は、環境・エネルギー、健康・医療、食、宇宙など、今日直面する社会的課題の解決に資する将来性のある分野で事業展開されている。JVAに参加された方々の中から、今後も素晴らしい経営者が輩出されることを祈念している。

表彰式〈プレゼンター〉

  • [ 経済産業大臣賞 ] 中小企業庁長官 角野 然生
  • [ 科学技術政策担当大臣賞 ] 内閣府副大臣 星野 剛士
  • [ 中小企業庁長官賞 ] 中小企業庁長官 角野 然生
  • [ 中小機構理事長賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ SDGs特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ 地域貢献特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ JVA審査委員会特別賞 ] 第22回JVA審査委員会委員長 東出 浩教
  • [ ベンチャーキャピタリスト奨励賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ JVCA特別奨励賞 ] 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 会長 中野 慎三

来賓祝辞

内閣府副大臣
星野 剛士
多様性と機動性に優れたスタートアップは、新しい資本主義の担い手としてイノベーションの創造に重要な役割を果たしており、政府の成長戦略の中核として位置づけられる。JVA受賞者がロールモデルとなり、研究開発型スタートアップの取り組みが広く世の中に認知されるとともに、その成果の社会実装が一層加速することを期待している。
中小企業庁長官
角野 然生
志の高い企業の経営者を表彰するJVAは、スタートアップ創出元年を締めくくる、まさに時宜を得たもの。今回受賞された皆様の事業は、世界規模の社会課題の解決に寄与する革新的なものばかりで、起業家のロールモデルとしてたいへんふさわしいものだと考える。新型コロナの影響による厳しい状況が続く中でも、高い志を持ち果敢に挑戦していく皆様が、日本の未来を切り開いていくであろうと強く確信している。

受賞スピーチ

株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO
中村 友哉
このような栄えある賞をいただき大変に光栄に思う。我々が一つ誇れるとしたら、前例がない中で常にハードシングスと向き合い、そこから逃げずに解を導きだし、自らを進化させ、新しい時代の求めるものは何か、そこに提供できる価値は何かを常に探し求め続けてきたことである。大変な状況であっても、その先に明るい未来が待っていると信じ続けることが経営者にとって非常に重要だと思う。より多くの経営者が現れ、日本がますます世界で注目される国になるよう、我々も微力ながら熱くしていきたい。
TeraWatt Technology株式会社 
代表取締役CEO兼共同創業者
緒方 健
このような賞を受賞することができ大変光栄に思う。一見地味なテクノロジーだが、2030年から2060年の日本の基盤技術の一つである蓄電の分野で、次の技術基盤をつくるという意気込みで今まさに真っ赤な海を泳いでいる。非常に競争が激しい分野であり、次世代電池の開発は非常に危険なものであるが、安心・安全かつイノベーティブに開発を進めていきたい。

審査講評

第22回JVA審査委員会委員長
東出 浩教
過去40年ほどの研究を振り返ると、起業家精神が栄える社会となるには、「移動」「育成」「変化」「称賛」の4つの重要な鍵となる。「移動」は人材が柔軟に動けること。「育成」は起業家が、次世代の育成に熱心に取り組むこと。「変化」は変わることが素晴らしいという価値観を持てること。最後に「称賛」は挑戦する人や成功する人が、常に称賛されること。そんな社会こそが、新たな起業家をつくる土壌を育む。JVAはまさに称賛の場。この環境を生かして、我々や機構も含めて、前に向かって一緒に歩んでいきたい。

名刺交換会

受賞者と参加者による名刺交換会が行われました。