第23回
JVA開催報告

開催報告

開会挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事
平泉 洋
今年でJVAは23回目の開催となる。中小機構では、企業の成長段階に応じた多様な支援を提供している。AIやチャットボットを使った先進的な支援ツールの開発から、起業家精神の育成と起業の裾野を広げる取り組み、さらにはグローバルスタートアップの創出支援まで、多角的な支援メニューの構築に挑戦している。中小機構は、スタートアップと同様に新しい課題やニーズに適時適切に対応し、これからも果敢に新たなチャレンジを続けていく。

オープニングキーノート

マイクロ波化学株式会社
代表取締役社長CEO
吉野 巌
世界が知らない世界をつくれ
当社の事業沿革とJVA審査委員長賞受賞後についてお話ししたい。 私たちが開発したマイクロ波技術は省エネで効率の良い製造プロセスの実現や新素材開発、カーボンニュートラルへの貢献など化学産業の革新と世界のモノづくりの変革に寄与する。創業当時「マイクロ波の産業利用は困難」という業界の常識があったが、当社は技術を磨き、実績を重ね、さまざまな企業と協業し壁を乗り越えてきた。そして、JVAで受賞した2016年にIPOの準備を始め、新型ウイルスの流行やロシアのウクライナ侵攻の影響を受けながらも2022年に新規上場を果たした。ノミネートされた方のなかには上場準備に入っている会社やプロダクトマーケットフィットができず苦労している会社もあると思うが、直面する課題を一つ一つ突破して、一生懸命に事業を行うことで、道は開けてくる。共に、世の中に大きなインパクトを与える事業を行っていければと思う。

VC×投資先ピッチ

ベンチャーキャピタリストと投資先の経営者が一緒に登壇し、キャピタリストと起業家のパートナーシップについてトークを繰り広げました。

[ 出演者 ]

株式会社環境エネルギー投資
代表取締役社長
河村 修一郎
アスエネ株式会社
Co-Founder&代表取締役CEO
西和田 浩平
Beyond Next Ventures
株式会社
代表取締役・General Partner
植波 剣吾
エレファンテック株式会社
代表取締役社長
清水 信哉

[ モデレーター ]

一般社団法人 日本ベンチャーキャピタル協会
最高顧問
仮屋薗 聡一

ノミネーター’s ストーリーズ

今回ノミネートされた起業家が登壇し、最前線を行く意気込みを語りました。

[ モデレーター ]

株式会社羽生プロ
代表取締役社長 著作家・メディアプロデューサー
羽生 祥子

主催者挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長
豊永 厚志
JVAは、優れた起業家や今後の活躍が期待されるベンチャーキャピタリストを表彰し、わが国のベンチャービジネスに対する関心を高め、チャレンジ精神を醸成していくことを目的としている。23回目の開催となる今回は、187名の起業家からの応募があった。ノミネートされた方々が取り組まれている事業の内容は、さまざまな分野にわたり、いずれも今日直面する社会的課題の解決に資する将来性のあるものばかりと見受けられた。JVAに参加された方々の中から今後とも、素晴らしい経営者が輩出されることを祈念している。

表彰式〈プレゼンター〉

  • [ 経済産業大臣賞 ] 経済産業副大臣 岩田 和親
  • [ 科学技術政策担当大臣賞 ] 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 審議官 徳増 伸二
  • [ 中小企業庁長官賞 ] 中小企業庁長官 須藤 治
  • [ 中小機構理事長賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ SDGs特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ 地域貢献特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志
  • [ JVA審査委員会特別賞 ] 第23回JVA審査委員会 委員長 東出 浩教
  • [ JVCA特別奨励賞 ] 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 会長 田島 聡一
  • [ ベンチャーキャピタリスト奨励賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志

来賓祝辞

経済産業副大臣
岩田 和親
昨年、岸田政権は新しい資本主義の実現に向け、スタートアップ育成5か年計画を発表した。革新的で社会課題解決に繋がる事業を行う経営者を表彰するJVAは時宜にかなった取り組みである。今回受賞されたみなさまが取り組まれている事業は世界規模の社会課題解決に寄与する革新的なものであり、世界的な景気の後退や不透明さなどの課題が懸念される中、日本の未来を切り開いていくものであると信じている。受賞された皆様のさらなるチャレンジに期待している。
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 審議官
徳増 伸二
科学技術によるイノベーションの推進を成長戦略の第一の柱として掲げる岸田内閣において、新しい資本主義の担い手であるベンチャー企業は極めて重要なものと位置づけられている。内閣府は、革新性に優れた科学技術等をもとに、将来の社会や産業にイノベーションを起こすことが期待される経営者を表彰し、研究開発型ベンチャーの取り組みが広く世の中に認知され、研究開発成果の社会実装がさらに加速することを期待している。

受賞スピーチ

経済産業大臣賞
株式会社セルージョン
羽藤 晋
このような賞をいただき身が引き締まる思いです。病気というものには国境がなく、再生医療・バイオテック企業が世界の患者様に治療を届けるというのが我々に課された一番重要なミッションだと思っています。そして、日本発の技術である再生医療・iPSを世界に普及させることも我々に課されたもう一つの使命だと考えています。そのために、今後も研鑽を積み、会社を成長させ、成果を出し続けていきたいと考えております。
科学技術政策担当大臣賞
アイリス株式会社
沖山 翔
このような歴史のある場で責任のある賞をいただき大変ありがたく存じます。みなさまからいただいた期待を励みに、科学技術の発展の一端を担い、科学の研究だけではなく、社会実装を通じて、さらに日本の医療そして世界の医療に貢献していきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

審査講評

第23回JVA審査委員会委員長
早稲田大学大学院経営管理研究科
(早稲田大学ビジネススクール)教授
日本ベンチャー学会 理事
東出 浩教
毎年継続して審査に関わらせていただいていますが、次々に素晴らしい起業家の方々が現れてきて本当に驚いております。今回の審査を振り返ると、大きくトレンドが動く不確実性の高い中でも、起業家のみなさまが今後成長する見込みのあるマーケットでの需要を捉えようとされていることを、強く実感いたしました。現在の夢の大きさにとらわれず、もっと大きな夢を見ていただきながら、グローバル市場で大きく成長して一つのロールモデルになっていただければと考えております。

名刺交換会

受賞者と参加者による名刺交換会が行われました。