第24回
JVA開催報告

開催報告

開会挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事
坂本 英輔
JVAは今回で24回目の開催を迎える。中小機構は、「中小企業や地域社会に多彩なサービスを提供することを通じ、豊かでうるおいのある日本を作るために貢献すること」を基本理念として活動している。インキュベーション施設の運営やファンドへの出資に加え、近年は起業家教育支援やアクセラレーションプログラム、相談窓口事業といったソフト支援への取り組みも強化している。スタートアップと同様に、新たな課題やニーズに適時適切に対応し、今後も積極果敢にチャレンジしていく。

オープニングキーノート

Heartseed株式会社
代表取締役社長
福田 恵一
新雪を滑りぬける勇気が成功への近道になる
創業から9年目にして上場を果たすことができた我々の歩みを紹介することでベンチャー起業家の参考になれば幸いだ。私はよく「ゲレンデの上を滑るのではなく、新雪の上を滑らなければならない」と言っている。新雪の斜面は危険だが、その滑った跡は人々の記憶に残る。この姿勢が成功への近道であると信じている。我々は、心筋細胞をつくり心臓に移植して心不全を治療するという方法を開発してきた。事業を成功させるために、各業界で知見を持つ人材の採用や世界に販路を持ち再生医療に精通した企業と契約するなど、安定して成長する仕組みを築いてきた。ベンチャーが成功を目指して進むべき道は、創業の目的達成への決意、資金・人材集め、そして世界を視野に入れた事業展開だと考える。皆さんの力を合わせて、日本初、世界初の事業を実現してほしいと思っている。そして、我々もそのつもりで頑張っていく。

VC×投資先トークセッション

ベンチャーキャピタリストと投資先の経営者が一緒に登壇し、キャピタリストと起業家のパートナーシップについてトークを繰り広げました。

[ 出演者 ]

株式会社ファストトラック
イニシアティブ
代表取締役・代表パートナー
安西 智宏
アリヴェクシス株式会社
代表取締役COO
大野 一樹
ANRI
代表パートナー
佐俣 アンリ
株式会社YOUTRUST
代表取締役CEO
岩崎 由夏

[ モデレーター ]

グロービス・キャピタル・パートナーズ
代表パートナー
高宮 慎一

ノミネーター’s ストーリーズ

今回ノミネートされた起業家が登壇し、最前線を行く意気込みを語りました。

主催者挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長
宮川 正
JVAは、優れた起業家や今後の活躍が期待されるベンチャーキャピタリストを表彰し、全国的にチャレンジ精神を広め、創業機運を盛り上げることを目的としている。これまでに表彰された企業は274社で47社がIPOを達成した。「JVAで表彰され、事業拡大に弾みがついた」との声も多い。第24回を迎えた今回は、過去最多の236名の応募があった。表彰を受けられる起業家の皆様は、環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、福祉、教育、ITサービスなど、社会的課題解決に資する将来性のある分野で事業展開されている。今後も、JVAから素晴らしい経営者が多数輩出されることを祈念している。

表彰式〈プレゼンター〉

  • [ 経済産業大臣賞 ] 経済産業副大臣 大串 正樹
  • [ 科学技術政策担当大臣賞 ] 内閣府大臣政務官 友納 理緒
  • [ 中小企業庁長官賞 ] 中小企業庁長官 山下 隆一
  • [ 中小機構理事長賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 宮川 正
  • [ SDGs特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 宮川 正
  • [ 地域貢献特別賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 宮川 正
  • [ JVA審査委員会特別賞 ] 第24回JVA審査委員会委員長 東出 浩教
  • [ JVCA特別奨励賞 ] 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 会長 郷治 友孝
  • [ ベンチャーキャピタリスト奨励賞 ] 独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 宮川 正

来賓祝辞

経済産業副大臣
大串 正樹
日本経済の未来を築くためには、従来のコストカット型経済から高付加価値創出型経済への転換が必要であり、スタートアップが重要なカギとなる。今回の受賞者は、世界規模の社会課題解決にも貢献しており、創業を目指す方々の模範となるべき存在だ。政府もメガスタートアップ創出のためのディープテック領域のスタートアップの成長支援や社会課題を成長のエンジンに転換していくゼブラ企業の創出に取り組んでいく。今後の受賞者の挑戦に期待するとともに、多くの有望な起業家が誕生することを願っている。
内閣府大臣政務官
友納 理緒
スタートアップは新しい資本主義の担い手であり、イノベーションを生み出す重要な役割を果たしている。政府ではAI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン等の戦略分野での支援を進めている。本賞は、革新性に優れた科学技術を基に、社会や産業にイノベーションを起こす可能性のある経営者を表彰するものである。今回の受賞企業のような研究開発型スタートアップの取組が広く認知され、研究開発成果の社会実装が加速することを期待している。

受賞スピーチ

フォロフライ株式会社 
小間 裕康
このたびは、栄えある賞をいただき、ありがとうございます。今後も賞にふさわしい実績を積み重ね、ビリオン企業、次にトリリオン企業を目指して成長を続けてまいります。そして、日本から世界に対して街の風景を変える大きな事業にしていきたいと考えています。今日、得ることのできた自信を胸に、言葉通りの実績を出してまいります。起業家を代表して感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
キュエル株式会社 
伊藤 陽介
このたびは大変光栄な賞をいただきありがとうございます。量子コンピューターはまだ開発段階にありますが、私たちがその制御装置を作り、研究機関や企業に提供することで研究が促進され、量子コンピューターが事業化し、その計算結果が人々の生活に役立つことを目指しています。その実現をより早く進めるために今後も努力してまいります。未来はきっと変わっていくと信じています。今日はありがとうございました。

審査講評

第24回JVA審査委員会委員長
東出 浩教
今回の審査を振り返り、コメントさせていただきます。VC賞の受賞者は、ハンズオン支援で成果を上げ、今後のベンチャービジネスに重要な役割を果たす方々です。起業家表彰は、過去最多の応募がありました。今回の受賞者は、ブートストラップ型、連続起業家の方がおり、新たなトレンドが生まれつつあります。JVAの受賞者は、起業家育成に大きな影響を与えると感じています。また、大企業の経験を活かして前進している起業家の方々もおり、広い意味での起業のエコシステムが日本に根付いてきたということを強く実感いたしました。

名刺交換会

受賞者と参加者による名刺交換会が行われました。