第22回JVA受賞者インタビュー

第22回JVA SDGs特別賞

平塚 利男

MIRAI-LABO
株式会社 
代表取締役社長

高校時代から環境への問題意識を持って起業。
“アドベンチャー企業”の目標は自律型エネルギーインフラAIRで世界へ

高校時代から環境への問題意識を持って起業。
“アドベンチャー企業”の目標は自律型エネルギーインフラAIRで世界へ

プロフィール
1963年、東京都八王子市生まれ。1981年日本電信電話公社の施工管理会社に入社。1983年電電公社岩槻電気通信基礎訓練専門学校卒業後、NTT通信設備の施工メンテナンス業務を通じ、アナログ・デジタル通信全般とバッテリーやさまざまな自然エネルギーの制御技術に精通。2006年に「技術でCO2削減」をコンセプトに掲げ水、土、光、風をテーマにした知財戦略型企業として未来環境開発研究所株式会社(現MIRAI-LABO株式会社)を創業。第22回「Japan Venture Awards」にて、SDGs特別賞を受賞。
Q1JVAを受賞した時の感想と応募したきっかけ
起業してから16年が経っている自分の会社を、私は“ベンチャー企業 ”を超えて、“アドベンチャー企業”と呼んでいます。受賞された社長さんの中には、とてもお若い方もいて、私のような経営者がいただいていいのかなと少し感じていますが、“環境”だけをうたって16年間やってきている企業が、このような賞をいただけたのは、志しを持っている若い経営者の方々に勇気を与えることができたのではないかとも思っています。
今回の応募は日本政策金融公庫さんがきっかけでした。数年前に融資をいただき、技術開発の面で大変助かったことがあったのですが、その際に「事業も良い方向に進んでいるので、どうですか」と当アワードへのお声掛けをいただき、推薦していただきました。声を掛けていただくまでは参加するという発想を持っていませんでしたが、チャンスがあるのであれば挑戦させていただこうと思いました。
今回の受賞によって事業をさらに前に進めることができるのではという感触も持たせていただきましたし、関係先などから、たくさん祝福をしていただきました。またSNSでも受賞した日に100件以上、お祝いの言葉をいただきました。
Q2起業に至ったきっかけと現在の事業
今から40年前、私が18歳の時、学校の帰りに毎日のようにコンビニに寄って炭酸飲料を買っていました。ある日、その炭酸飲料が置いてある棚の横に、水が売っていたのです。水が売られる時代が来たということは、水に付加価値がつく時代がきたのだと感じました。その時に、「これはいずれ、空気を買う時代が来るな」と思ったのです。そこが環境問題を意識した最初のタイミングだったと思います。
そして、社会人になり、かつて飛び込んだ川や魚釣りをしていた河原が、立ち入り禁止になっていることに気づきました。これは環境が崩れた結果で、環境は人が壊したのだなと感じ、そこから出来ることからやろうと空き缶拾いを地域で始めました。そんな中、都内で蛍を再生することを目指す行政の取り組みと出会います。これは蛍がいなくなってしまった環境をバイオテクノロジー技術などを使って、再生しようという試みでした。最初はボランティアとして参加していたのですが、これを事業化しようと考え、当時在籍していた会社で提案しました。しかし、なかなか私の提案は通りませんでした。ならば、と思いスピンアウトし起業し設立したのが、当社です。
この蛍の再生事業をきっかけに、自律型で省エネの街路灯を作るためにLED照明器具の開発などに派生するなど、さまざまな環境事業に繋がっていきました。今では環境のことで困ったら、「MIRAI-LABO」に相談すれば何か出てくるのではないかと、大手企業さんも声を掛けてくれて協力していただけるようになりました。
Q3今後の展望と読者へのメッセージ
まず、私たちのGX環境技術である、太陽光路面発電とEVリユースバッテリーをシステム化した、※“自律型エネルギーインフラAIR”を世の中に送り出していきます。まずは分散型マイクログリッドとして先々は電力会社さんと連携して、この“自律型”が網目状に繋がり巨大化していくことになります。これは、国内ではここ数年間で計画しています。また、5年後を目途に日本発の自律型エネルギーインフラというパッケージを海外にも展開いたします。無電化地域を抱える国は世界中にたくさんあります。そのような所でもお役に立てればと考えています。これまで培った弊社のGX環境技術を世界に普及すべく、日本国政府や当社の資本業務提携先各社と連携し、カーボンニュートラル実現に向け進めていきたいです。
さまざまなアワードがある中で、「Japan Venture Awards」は知名度、信用度がとても大きく、最も栄誉ある賞である事を今回の受賞で経験いたしました。結果として大きな反響をいただけることは、私が実体験をしています。特に信念を持ってビジネスに挑んでいる方であれば、応募していただくと良いのではと思います。
※“自律型エネルギーインフラAIR”とは、Autonomous Intelligent Roadの略称(直訳:⾃律型知的道路)であり、太陽光路⾯発電パネルSolar Mobiwayによる分散発電と、EVリパーパス蓄電池による分散蓄電を組み合わせることで、センシング・通信・照明などに⾃律した電⼒を供給する新たなエネルギーインフラサービスの総称です。

インタビュー動画

その他の過去受賞者
インタビューをみる