第22回JVA受賞者インタビュー

第22回JVA地域貢献特別賞

北出 宗治

AWL
株式会社 
代表取締役兼CEO

市販の汎用デバイスをそのままAI化。
グローバル展開初年度の北海道発の企業が
地元から世界を目指す機運を高める

市販の汎用デバイスを
そのままAI化。
グローバル展開初年度の北海道発の企業が地元から世界を目指す機運を高める

プロフィール
1978年北海道苫小牧市生まれ。⼤学在学中よりインターネットビジネスをはじめる。ITの可能性に魅了され、卒業後は⽶コンサルティング会社(D.C.)、米レコード会社(N.Y.C)でWEBマーケティング&コンサルティングを担当。帰国後、マンツーマン英会話のGABA社のIT部署の立ち上げに参画。WEBマーケティング部を統括し、同社の上場に貢献。その後、ライブドア社にてメディア事業部マネジャーとして多数の事業立ち上げを経験したのち、2006年に独立。GMOインターネット社とのJV設立(取締役)や、電通アイソバー社のパートナーとして⼤⼿企業を中⼼としたコンサルティング、多様な業種、規模感におけるITを活用したサービス、事業、会社立ち上げのプロデュースを行う。2015年に北海道大学川村秀憲教授との出会いをきかっけに、2016年6月にAWL株式会社(旧AI TOKYO LAB(株))を創業し、リテール業界でのAIの社会実装を牽引する。第22回「Japan Venture Awards」にて、地域貢献特別賞を受賞。
Q1JVAを受賞した時の感想と応募したきっかけ
北海道から出発した我々の会社が地域貢献特別賞をいただいたということで、大きな期待を寄せていただいたものと受け止めており、とても光栄です。しかし、私としてはまだ地域に貢献できたという実感を持つまでには至っておらず、むしろまだ北海道に支えてもらっているフェーズだと思っています。あらためて、これからしっかりと、地域に貢献できるように頑張っていきたいと思います。
応募する前から、「Japan Venture Awards(JVA)」は由緒あるものであると認識していました。そんなアワードへ複数の方から「応募してみては」と推薦をいただき、さらに北大ビジネス・スプリングのチーフの一押しもあり、それならばと応募をしてみました。ただ、あくまで賞を狙っていたわけではなく、チャレンジすることに意義があるはずというスタンスでした。実際に賞をいただきSNSなどで発信をすると、知人などたくさんの方から祝福の言葉をいただきました。あらためて影響は大きいのだと感じています。
Q2起業に至ったきっかけと現在の事業
創業は2016年です。私はもともとフリーランスでさまざまな企業のコンサルティングをしていました。その時に大企業から「今後はAIの時代。何かAIを使ったソリューションができないか」と提案を求められました。ただ、私自身はAIのバックグラウンドがあったわけではなく、AIのビジネス化というのはかなり先のことではないかと思っていました。しかし、北海道のドラッグストアチェーン店であるサツドラの富山浩樹社長から北海道大学でAIを研究されている川村秀憲教授を紹介していただき「これからはフィジカルなリアル空間にAIを浸透していく社会実装が始まる。リアルもオンラインと同様にデジタル化され、数値化されて繋がっていく世界観が築かれていく」と聞き「これは、面白い」と思いました。そこで私がビジネス側を担い、川村教授が技術側を担当するということで、AIの企業を創業することとなりました。
起業する際は「リアル空間におけるAIソリューション」と「北海道からグローバル展開を目指す」という2つのことを決めていました。当初は受託で色々なことをやっていく中で、具体的に何をやっていくかを探っている状態でしたが、現在は「防犯カメラのAI化」と「デジタルサイネージのAI化」という大きな2つのソリューションがあります。専用デバイスが必要なく、市販のデバイスでそのままAI化することができることを強みとしています。
Q3今後の展望と読者へのメッセージ
我々のサービスが、アーリーアダプターの利用から、マス化して一般に広く普及するまでには、まだ2~3年の期間が必要かもしれません。しかし、トップランナーとして良いポジションを保ち続けていけば、大きなチャンスがあると思っています。 現在、スタッフは85名で、6割以上は外国籍の方です。割合でいうと開発メンバーが多いものの、ビジネスデベロップメントの中にも外国籍のメンバーが数人います。そんな体制の中で、今後はどの国の市場であれば展開が可能なのかを見定めている状況で、方向性も定まりつつあります。2023年は海外展開の初年度となるはずです。
また北海道の高度人材は、地元では仕事がないために東京へ出て行ってしまう方が多いです。せっかく北海道大学に世界中から優秀な留学生がきても、東京や大阪などの都市で働くか、他の国に移ってしまいます。大好きな北海道でそのまま先端研究の仕事ができる流れを作っていきたいとも思っています。北海道から東京を目指すのではなく、北海道から世界を目指せるんだという姿勢を見せて、そんな機運を高めていきたいと思っています。
JVAは、参加する中で学びがあったり、さまざまな気づきがあるなど、プロセスが大変貴重でした。受賞できるかできないかに関わらず、まずはチャレンジすることに大きな意義や収穫があると思っています。

インタビュー動画

その他の過去受賞者
インタビューをみる