過去受賞者のインタビュー

第21回JVA
経済産業大臣賞

佐竹 晃太

“現役医師”だからこそ
開発できた「治療用アプリ」。
治療の概念を覆し、
医療業界の革命に挑む
日本発ベンチャー。

佐竹 晃太

株式会社CureApp
最高経営責任者(CEO)兼 医師

プロフィール
1982年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学医学部卒。日本赤十字社医療センターなどで、呼吸器内科医として診療に携わる。2012年より中国・米国の大学院に留学し、医療や経営について学び、医療インフォマティクスの研究にも従事。2014年に株式会社CureAppを創業し、第21回「Japan Venture Awards」の経済産業大臣賞を受賞。現在も週1回の診療を継続し、医療現場に立ち続けている。
Q1起業に至ったきっかけを
教えてください
臨床医をしている中で、医療費の高騰や地域・国における医療格差に課題意識を感じていました。そこで、自分の視野を広げるために海外の大学院に進学。米国のジョンズホプキンス大学で、医療インフォマクティについて研究しました。治療アプリに関する論文を初めて読んだ際には、大きな衝撃を受けましたね。治療アプリに大きな可能性を感じましたし、同時に現状の治療でできることに限界があるのだと気づきました。
そこで、治療アプリを日本で広めたいと思い、株式会社CureAppを創業したのです。
例えば、生活習慣病は薬だけで治療するのではなく、患者自身の生活習慣を正すことが何より重要です。とはいえ、生活習慣を変えるのは簡単なことではありませんし、365日24時間誰かが患者をケアし続けるのも不可能でしょう。治療アプリがあれば、これまでは把握するのが難しかった患者のデータを医師が確認できるようになるため、一人ひとりに寄り添った治療が可能となるのです。
我々が開発したニコチン依存症治療用アプリは、すでに禁煙外来での処方がスタートしていて、禁煙に成功した方もいらっしゃいます。
現在は、高血圧や非アルコール性脂肪肝炎、アルコール依存症、慢性心不全、がんなどの治療用アプリ開発も進行中です。2019年に米国に子会社を立ち上げ、今後はグローバル展開にも注力していこうと考えています。
Q2JVAに応募したきっかけを
教えてください
弊社の広報チームから「『Japan Venture Awards』に応募したい」といった提案を受けたことが、最初のきっかけでした。
最終的に応募することにした理由は、私たちが行っている取り組みを世の中にアピールするとともに、治療用アプリの認知度を向上したいという思いがあったからです。
また、私自身が海外の大学院で学んだ経験もあり、「日本の発明を世界に広めたい」「日本のプレゼンスを高めたい」という思いが強くあります。「Japan Venture Awards」は日本発のベンチャー企業にスポットを当てたアワードですし、事業内容に共感できました。
企業が開催しているものから自治体主催のものまで、さまざまなアワードがありますが、方向性が異なるものに応募した場合、仮に受賞できたとしてもメリットは少ないかもしれません。むしろ、企業のPRとしてはマイナスに働く可能性もあるでしょう。
「Japan Venture Awards」は、“革新的かつ潜在成長力の高い事業や、社会的課題の解決に資する事業を行う、志の高いベンチャー企業の経営者を称える表彰制度”だと銘打っていますし、私たちが行っている事業の方向性ともマッチしていると思えたのです。
Q3JVA受賞後、
ビジネスに変化は
ありましたか?
受賞が決まった際は誇らしい気持ちでしたし、非常に嬉しかったです。応募を提案してくれた広報チームのメンバーも喜んでくれました。親戚や知人からの祝辞もいただきましたね。
クライアントや投資家の方と話し合う際も、以前よりスムーズに交渉できるようになりました。「Japan Venture Awards」を受賞したことで、企業として外部からの信頼を得やすくなったと言えるかもしれません。
もし「Japan Venture Awards」への応募を検討している方がいらっしゃるのであれば、挑戦してみることを推奨します。資金調達が重要となるベンチャーにとって、企業認知度を高めることは非常に大切なことだと思いますし、事業をアピールするいい機会にもなるのではないでしょうか。
また、ユニークな取り組みをされているベンチャーが多いので、受賞者が取り組んでいる事業内容を見るだけでも学びが得られると思います。
すでに事業を開始されている方も、これから起業を考えている方にとっても、きっと良い刺激となるのではないでしょうか。
「Japan Venture Awards」は、新たな取り組みをスタートするトリガーとなり得るものだと思いますし、挑戦する起業家が増えることを願っております。

インタビュー動画

過去のJVA受賞者に「起業のきっかけ」「JVA応募のきっかけ」「JVA受賞後のビジネス変化」についてのインタビューをしました。

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第21回JVA受賞者のインタビュー